はじめるとき 

やりたいと思うことほど

始めるのがこわいことがある

それで失敗して失望するのが嫌だからだ

ああやっぱり自分はちっぽけな存在なんだと認識したくないからだ

少しばかりでも傷ついたり落ち込んだりしたくないからだ

自分を奮い立たせて向かわせたことが虚しく思えてしまうからだ

評価されることが嫌だからだ

少なからず、人にどう思われるか気にしている自分がいるからだ

「嗚呼このままでいいや。このままでいたい」

そんなふうにして変化を怖がる臆病な自分がいる

それはまるで、真冬の早朝に布団から出られない

甘ったれの怠け者のよう

そんなふうにぬくぬく生きられたら、楽でいい

でもその人生にはなんの刺激も出会いも抑揚もない

生きている意味を、自分のいのちの価値を見いだせない

やりたいと思うことほど

はじめるのが怖いことほど

心が踊る瞬間に出逢えることはないのかもしれない

それがやりたいことなのであれば、どんな結果になっても

希望が失望のまま終わることなんてない

また最初から、はじめればいい

何度でもリセットして、はじめればいい

出来るまで、続ければいい。

2014 秋